坂部建築のこと

本当にいい家とはどんな家?

【条件その3】維持費がかからない家とは?

 

ドイツでは「家を引っ越すときは永年愛用しているキッチンも持っていく」ことや

賃貸物件の内装などは「入居時に自分たちの気に入った色で壁塗りをする(DIY)」のが普通とのことです。

 

私たちは提案の際「本当に気に入ったものを長く使っていただきたい」という想いで、

トータルのご予算とのバランスに合わせて「オーダーキッチン」や「ご家族でもメンテナンスしやすい内装材」を提案します。

 

デザインもよく丈夫でメンテナンスしやすく・大切に愛着をもってお使いいただければ、

本当に長くご使用しただけます。 

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【経年変化で愛着も増す、無垢の扉のオーダーキッチン】

 

また建物を設計する際に「パッシブデザイン」という周りにある自然の力を建物のエネルギーとして、

太陽の熱や明かり、自然の風や庭の樹木など有効利用する考え方があります。

 

夏、冬に部屋のどこまで明かりが入るか、風が抜けるにはどの位置に窓を設けるか、庇の出はどうするか などなど

敷地の季節風、方位、道路の位置、近隣の建物の位置や高さ、樹木のレイアウトを考えながら設計します。

 

結果、「モノを大切に長く使い」「自然のエネルギーを有効に使う」ことで生涯のコストダウンにつながると思います。

 

 

維持費がかからない家といっても、まったくかからない家などありません。

 

維持費が「いっぱいかかる家」と「最小限の家」とでは、

長い年月を経過した際かなり大きな金額の差となることは事実です。

 

いくら、「人にとって健康で快適ないい家、長持ちするいい家」をつくっても 維持費が高ければ困りものです。

 

しかもこの維持費は「住宅ローンとは別に必要なお金だ」ということを理解しておかなければなりません。   

 

 

住宅の維持費というのは、主に「メンテナンスコスト」と「ランニングコスト」に分けることができます。

 

まずはメンテナンスコストです。

メンテナンスコストの中で、選ぶ材料によって一番大きく金額が変わってくるのが「外装廻り」です。

 

ここ最近の建物で一番多く使われている「サイディングの外壁」や「スレート屋根」はどうでしょうか。

 

サイディングの最大の弱点は「サイディングとサイディングの継ぎ目のコーキングの紫外線による劣化」です。

だいたい10年過ぎあたりから継ぎ目のコーキングの打ち直しが必要となってきます。

 

そしてサイディングの外壁やスレート屋根の材料はもともと吸水性がとても良く、

保護塗装によって吸水を遮断しているためコーキング同様に塗り替えが必須となっています。

 

 

コーキングの打ち直しと外壁、屋根の塗り替えにはまずは「足場」が必要です。

足場などいろいろ含めて「相場が1坪だいたい5万円」くらいかかります。

30坪の家だったら、おおよそ150万円はかかるということです。※状況や塗料のグレードにより価格が変ってきます。

 

一方、私たちが推奨する外壁に使用する材料のひとつが「スイス漆喰」で、

継ぎ目がなく紫外線にも強く耐久性に優れた材料で部分的な補修も容易に行えます。

 

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 【汚れたり割れてしまっても簡単に補修することができるのもスイス漆喰の特徴です】

 

また屋根材は日本が昔から使っている「瓦材」は耐久性耐候性が非常に高く、

長期に渡りメンテナンスフリーといえます。

 

サイディングの外壁を10年に一度メンテナンスを行った場合、

30年で150万円×3回=450万円の差が生じるわけです。 

 

次にランニングコストです。

このランニングコストについては、

家の床、壁、天井(屋根)の断熱方法や気密方法やサッシの断熱性能、空調・換気設備によってかなり変わってきます。

 

世の中で一番使われているグラスウールで断熱された断熱基準(UA値0.87)の一般的な家と、

私たちが推奨する現場ウレタン吹き付けで断熱した家(UA値0.56以下)で同じ大きさの30坪の家で1年間の電気ガス代を比較すると、

1年間のトータルの電気代の差額はなんと 10万円以上にもなります。30年間で計算すると「300万円」にもなるのです。

 

また他にも使用に伴う給湯設備、キッチン、トイレ、空調設備、浴室設備の取替えや内装のリフォーム、

家族構成や暮らし方の変化による大型リフォームなどなど行うことが増えていきます。

 

見た目や機能だけではなく、

メンテナンスコスト・ランニングコストなどの家を建てた後の維持費を考えた上での、

材料選び・工法選びが実はとっても重要なのです。