坂部建築のこと

本当にいい家とはどんな家?

【条件その4】資産価値が高い家とは?

 

最近建てられている日本の家というのは、

建ったときが一番よく、時の経過とともに家の資産価値がどんどん下がっていく・・・

 

周りを見渡せばそのような家がほとんどだったりします。

それはなぜでしょうか。

 

ひとつは日本の住宅の本質的なデザインに対する認識です。

 

欧米の建築物には永遠に受け継がれている普遍的なデザインというものがあります。

そのデザインの美的要素は世界から評価され、欧米の美しい街並みの多くは観光地とされています。

 

日本の観光地にある一部には伝統的な街並み残っていますが、

ご自身の住んでいる町内や近隣の街並みを俯瞰して見た場合、いかがでしょうか?

 

日本固有の風土や文化から受け継がれてきた和風建築を「むりやり洋風化した〇〇風なデザイン」や

そのナナメ上からの「今がトレンドのデザイン住宅」など個性的?な建物、

予算の兼ね合いで建築時に提案されず後回しにされた感のあるエクステリア・・・。

 

そんな「ちぐはぐな街並み」は後世に残したいと自慢できる美しさとは言えるでしょうか・・・。

 

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2の条件で申し上げた日本の住宅が短命であることのもう一つの要因は

「時代に残らない建物デザインと敷地全体の佇まい」であるということです。


もうひとつは見た目や目先の機能にとらわれ、本物の素材で家をつくっていないからです。

 

パッと見がいい新建材などを使って家をつくれば、確かに最初のうちは新鮮できれいだと思うかもしれません。

しかし、そのパッと見のいい新建材は「ときが経てば経つほどみすぼらしく」なっていきます。  

 

ある意味それは仕方のないことです。

原材料が自然素材でない新建材は「経年変化とはならず、経年劣化してしまう」からです。

 

新建材のいい例が、壁のビニルクロスだったり、床のカラーフロアーだったりします。

 

壁のビニルクロスが色あせたり端がめくれたり、床のカラーフロアーの光沢がなくなってきたり、

その状態はやはり単なる経年劣化で「味が出てきたな」とは思わないでしょう。

 

けれども自然素材のいい例が「無垢の木」です。

 

最初は白い無垢の木が時が経てば経つほど経年変化を起こし、

飴色に変化をしていく様子はとても味わい深さを感じます。

 

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漆喰などの塗り壁にしても時が経ったからといって、

色あせたり端がめくれたりということはありません。

 

自然素材などの本物の素材であれば単なる経年劣化ではなく、

経年変化または経年美化と表現され逆にその状態の変化を楽しめます。

 

欧米では家の資産価値が下がらないどころか「資産価値が上がっていく家」だってあるくらいです。

 

日本の街並みに馴染む「普遍的なデザイン」を取り入れ、

建物とのバランスをみて植栽を含めたエクステリアはときが経っても逆に美しさを増して経年変化を楽しめる家、

そんな家が本当に資産価値のある家ではないでしょうか。