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今、耐震診断や改修は必要はない?
本日、木造のお住まいの耐震診断の結果報告書の説明に行ってきました。
私の住む愛知県でも南海トラフ地震について関心ごとのひとつです。
10月に愛知県建築物地震対策推進協議会主催の2024年耐震改修推進講習会に参加し、
現在の愛知県内の耐震化の取り組みや実状を知り、
今後、私たち建築業に携わる者たちのできることは何があるのかを学んできました。
愛知県では、昭和56年以前(旧耐震基準)、令和6年からすると43年前の
木造建物が「無料」耐震診断の対象(※詳細は各自治体に問い合わせ下さい)になるのですが
・「耐震診断」の戸数は平成14年から令和5年までに累積全国1位!(約15万件)
・「改修工事」の戸数は平成15年から令和5年までに累積全国2位!(約1.7万件)
の実績がある報告でした。
R2年時点ですが
愛知県内の住宅(居住世帯のある住宅)が約311万世帯(100%)あるうち、
・「新」耐震基準(昭和56年以降)が約248万世帯(約80%)
・「旧」耐震基準(昭和56年以前)で耐震性ありが約36万世帯(約11%)
・「旧」耐震基準(昭和56年以前)で耐震性なしが約27万世帯(約9%)
耐震診断をしたのだけれども耐震改修までには至らず、
愛知県下では約1割の建物が耐震性のない住宅(実際に人が住んでいる)との報告でした。
私が所属している愛知建築士会豊田支部でも
豊田市からの委託業務として年間かなりの「無料」耐震診断を行っておりますが
耐震改修工事を行うまでには至っていないのが実情です。
今年のお正月に起きた能登半島能登半島の地震。
今でも避難所で住まわれている方々をはじめ、多くの方々がご苦労や不安な日々を過ごされております。
見るに堪えがたいのですがYouTubeでは
地震が起きた瞬間や目の前で建物が倒壊する衝撃を受ける映像がアップされています。
東日本の地震では実際は地震による建物倒壊より津波による被害が多いと聞きます。
能登半島地震の被災後の行政の対応や
GW中の南海トラフ地震に対するマスコミや国からの警告は
「いかがなものか」とおしゃられる方もみえます。
それはごもっともな話しで私もそう思います。
「色々と気づかせていただき、ありがとうございます」です。
もし明日、南海トラフ地震がおきると「わかって」いたらどうしますか?
逃げる、家を少しでも補強する、保険を見直す・・・。
でもそれは現時点では「地震予測は不可能」で、
できることは地震対策の「予防」しかありません。
私たちが今できることは
自宅や大切な家族を守れるのは「唯一自分たち」であることを知り、
自分たちが「手つかず」の状態のままでいることで、
あってはならいのですが
隣近所の住まいや財産、ご家族を奪ってしまう事態になりかねないということ。
能登半島の地震は「震度7」でした。
東南海トラフ地震の予測では愛知県は6弱~強が多くみられます。
下記の耐震改修チャートを見ていただくと
「0.4、0.7、1.0、1.3」という数字が載っていますが、
この数字の説明は是非「無料耐震診断」を受けていただき、
ご自宅の耐震の評価を知っていただけたらと思います。
※「新」耐震基準(昭和56年以降)ですが
耐震の評価が「1.0以上」あるとは限りませんし、
「1.0以上」でも倒壊しないまでも安心・安全とはいえません。
どうして耐震改修をしないのか?
(耐震診断をした住宅所有者に対するアンケートより)
・費用負担が大きいから
・古い家にお金をかけたくないから
・耐震化しても大地震による被害は避けられないから
・誰に頼んだらよいかわからない
最近では「安価にできる耐震改修工事」や「精密耐震診断の実施」を推奨し、
積極的に補助金を「さらに上乗せ」している自治体もございます。
まだ耐震診断、耐震改修工事(何らかの対策)を行っていないのであれば、
どうぞ最寄りの自治体や私たちのような「木造耐震診断員」の資格を持っている
工務店や設計事務所にご相談していただけたら幸いです。